
店長になって2年と少し。前の店長がキチッと細かく仕事をこなすタイプだったので、ずぼらな私で務まるのかなと、はじめのうちは不安ばかりでした。自分らしい店づくりができるようになってきたな、と思うようになったのは、本当にもう最近です。それまでは、前の店長のやり方を忠実にならって、できるだけ変えないように変えないようにやってきました。しかし、近くに大型の新店舗ができてスタッフが減ってしまったり、お客様の層やニーズが少しずつ変わってきたなと感じたりして、このまま同じやり方を続けていてはダメだな、と思うようになりました。
具体的に大きく変わったのは、接客面。どちらかというと今まではルール通りに仕事をすることを意識しすぎて、やや画一的なところがありました。しかし、このお店は隣のスーパーマーケットさんの薬品部、雑貨部という感覚で、気軽に利用してくださるお客様がほとんど。毎日見える方も多いんです。そこで、よりフランクな接客を心掛けるようにしました。「それはちょっとできません」とお断わりしていたことも、できる範囲ならば対応しようということにしたんです。
お客様がその変化に気づいてくださっているかはわかりませんが、スタッフとお客様との何気ないやりとりは増えたように思います。「これでいいんだ」と胸を張るにはまだまだですが、自分で目標を設定する、そしてそこに向かって前進する、ということが少しずつできてきたのかな、と感じています。

私にとっての「その時」は、ある先輩との出会いです。
入社したばかりの頃はとにかく研修が厳しくて、なんでこんなに、と思うほど覚えることがたくさんありました。家に帰ってからも、毎晩レポートを仕上げなければならない。薬剤師でもない私がお客様の求める薬やサービスを提供するのは難しいのではないか、そう不安を感じずにはいられませんでした。
そんな状況が1ヶ月ほど続いたある日、仮配属先の先輩が1冊の本を貸してくれたんです。「ひとりで接客するときに必ず役に立つから」。そういって渡されたその本には、研修ではあまり触れられなかった一般的な薬について詳しく記されていました。余白には勉強のあとがぎっしり。そう、薬学部出身ではなかった先輩も私と同じような悩みを抱え、自ら進んで勉強をしていたのです。「お客様が本当に求めるものを提供したい」。そんな思いから勉強に取り組んだ先輩の姿勢は、本を読んで得た知識よりも、はるかに深く心に残りました。
周りを見渡してみると、任された仕事をやり遂げるために先輩たちはみな努力していました。その姿を見て、お客様に対して一生懸命な会社なんだな、ということがじわじわと伝わってきました。そしてつらかった研修がなんのためにあったのかも理解することができました。先輩との出会いにより、仕事に対する真剣さがグッと増し、何事にも前向きに取り組むきっかけになりましたね。

これからの目標は、スタッフ全員の接客レベルを、さらに上げていくこと。どんなお客様にも対応できるような接客を身に付けていってほしいと思うので、そういう目で良いところは褒め、直したほうがいいところは指導していきたいですね。
最近は、外国人のお客様も増えてきました。日本語はほとんど通じないので、今は片言の英語でコミュニケーションをとっているという状態です。雑貨に関しては、それでどうにかなっているのですが、お薬に関しては細かなニュアンスをお互いに理解できず、困ってしまうことも。お客様の求めていたものをご提供できたのだろうかと、あとから不安になることも多いです。
そこで、このお店を利用される外国のお客様の言葉を勉強したいと思っています。頭が痛い、咳がでる、熱がある、その程度の簡単な言葉が通じるだけで、解決できる部分は大きいと思います。近くに、そういう薬局が一軒でもあれば、外国の方に安心して暮らしてもらえるはずなので、ぜひ実現したいですね。
静岡に暮らしはじめて、ちょうど10年。どこかのんびりしている静岡は、私に合っているみたいです。昨年、神奈川からよんで一緒に暮らしはじめた両親も、気に入ってくれています。





